香 港 Hong Kong - 観光する
![]() |
トラム(香港島街巡り)
Ocean Park
トラムで香港島の街々を巡るとそれぞれの顔が見えてくる
2階建て路面電車のトラムは1904年の開業だ。時折りチンチンという音を響かせ、ガタゴトと走る様は香港名物の1つとなっている。今は、1日平均24万人を乗せる、ローカルや旅行者の貴重な足となっている。
西は堅尼地域(ケネディタウン)から、東は肖箕灣(シャウケイワン)まで、香港島北部を東西に合計30km、6つのルートを走っている。123ある停車場は約250mごとに設置され、各駅停車での運行だ。後ろからの乗車で、前から降りる時に料金を払うが、料金は一律HK$2。朝の5時台から夜の11時台まで運行している。
開業当初は2階建てではなくシングルデッキだった。1912年からオープントップの2階建てが登場し、今の2階建てになったのは1930年代からのことである。現在、161台の車両が運行している。
のんびりした感のあるトラムだが、中環から金鐘までちょっと行く場合などは地下鉄やタクシーよりも早い。線路は主要道路を通っているが、トラム優先のため交通渋滞に巻き込まれることもない。ちょっとした距離なら、移動手段として使えるトラムだが、アクティビティとしてトラムの旅を楽しむのも滞在旅行ならではだ。
ケネディタウンから肖箕灣までは、直通はないが乗り継いで約80分。場所ごとに風景が変わり面白い。気になったところがあれば途中下車するのも良いだろう。中環を離れると景色も変わり興味深い。
中でも面白いのは、北角(ノースポイント)行きである。トラムは、肉や魚、野菜を売る店が両側に並ぶ、狭い北角の商店街の中を通る。買い物をしている人が線路の上を歩いたり、トラムのすぐ前を、荷台が横切ったりしてちょっとハラハラするが、運転手も慎重に通り抜けている。
東の基点である肖箕灣付近は、景色は開け、トラムはちょっとした丘を上り下りする。上環から西の基点であるケネディタウンまでは、建物が密集する狭い通りで、まさにオールド香港の中を行く感じだ。車窓からは、ローカルの生活を間近に感じることができるだろう。
地下鉄やバスなどと違った味わい深いトラムだが、香港の人はトラムをチャーターし、街中を移動しながらのパーティーを楽しんだりもしている。2階の1部がオープンデッキのアンティークトラムが、1時間HK$1000、2時間以上の利用でチャーターできる。ケータリングで食事を持ち込み、結婚式の2次会や仲間内のパーティーなど、お座敷トラムを楽しんでいる。
ローカルの生活の1部であるトラムだが、トラムで行ける主な街を紹介しよう。
中環/セントラル
中環はバザールの中心という意味で、第2次世界大戦以降の名称だ。それまではビクトリアと呼ばれていた。1841年、英国が香港に足を踏み入れた時は、ここは無人の丘陵地帯だった。今は、高層ビルが建ち並び、香港の政治経済の中心である。歴史的建造物が多く点在し、ブティックやホテル、蘭桂坊(ランカイフォン)やSOHO(ソーホー)のようなおしゃれな飲食店が集まる場所など、多様な顔を持っている。所々に、野菜や衣料品などを売る露店が並ぶ昔ながらの路地もある。
SOHOは、中環から上環にかけて山側を通るハリウッドロードの南という意味で、流行に敏感なローカルが集まるおしゃれなレストランやバーなどが多い。海側からSOHOや、更に上の地区に行くため、世界最長の(約800m)ミッドレベルエスカレーターが設置されている。ハリウッドロードには、骨董を売る店が多く並ぶ骨董街があり、近くに文武廟(マンモウミュウ)がある。文武廟には、学問の神と三国志の英雄である武の神の関羽が祀られている。1847年に建立された香港最古の道教寺院で、天井からは巨大な渦巻き状の線香がいくつもぶら下がっている。
上環/ションワン 西環/サイワン
上環のランドマークは、1906年に建てられた赤い煉瓦の西港城(ウェスタンマーケット)である。昔は市場だったが、今は布地店やブティック、飲食店などの入るおしゃれなショッピングビルになっている。近くには、1841年に英国が初めて英国旗を立てたポゼッションストリートがある。同年、中国本土からの最初の移民が来ており、彼らは上環の西の西環に集められた。ここは最初の街が形成されたところで、今も中国らしい伝統や風俗が残る場所だ。ボンハムストランドストリートや、それに続く西環寄りのデボーロードウエストには昔ながらの乾物や漢方薬材を売る店が多く集まり、オールド香港を感じることができるエリアとなっている。
金鐘/アドミラルティ
中環の東隣は金鐘の街だ。山側には、オフィスやホテルが集合したパシフィックプレイスや、隣の中国銀行タワービルなど、高層ビルが建ち並ぶ。香港公園はその高層ビルの足元にあるオアシスのような公園で、その一角からは、ビクトリアピークに上がるピークトラムが走っている。
1888年に開通したピークトラムは、麓の駅(標高28m)からピーク駅(同397m)まで、369mの標高差を約7分で上る。最大傾斜は27度で、朝7時から夜の12時まで、10分から15分間隔で運行している。ピークに上がると、ショッピングモールのピークタワーとピークギャレリアがあり、ピークタワーには、眺望が素晴らしいおしゃれなレストランが多い。本物そっくりな100体ほどの人形が並ぶ、有名なマダム・タッソー蝋人形館もここにある。
灣仔/ワンチャイ 銅鑼灣/コーズウェイベイ
金鐘の更に東隣は灣仔となる。海側には、97年の返還式典が行われた香港コンベンション&エキジビジョンセンターや近代的なビルが建ち並び、その近くには蘭桂坊とはまた違う雰囲気のナイトスポットがある。山側には、ハッピーバレー競馬場や古い街並みが残るという、新旧が混在する街である。日系デパートもある銅鑼灣は、香港でも尖沙咀と1、2を争う繁華街だ。この街のランドマークは飲食店やブティックがたくさん入る時代広場(タイムズスクェア)で、その周囲は、夜遅くまで若者たちがで賑わっている。
1840年代から続く儀式である牛砲(ヌーンデイガン)があるのは、銅鑼灣の海側だ。ジャーディン・マセソン商会が撃った祝砲の名残で、毎日正午に音が響く。近くにはスポーツ施設の多いビクトリアパークがあり、地元の人の憩いの場所となっている。

『滞在旅行』シリーズ最新刊
ハワイ島
ヒロ・プナ・ハマクア特集
ハワイ島の東側を特集。
ローカルな街に、温泉付きバケーションレンタルなど、本邦初公開も含むディープ情報満載!!
全国書店にて発売中!(890円)
Amazonで詳しく見る









